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【岐阜】愛嬌あり、力強くあり 一位一刀彫で「辰」の置物

ジャンル・エリア : 岐阜 | 工芸品 | 文化 | 芸術  2023年12月07日

新年に向けて制作が進む「辰」の一位一刀彫=高山市本町で

新年に向けて制作が進む「辰」の一位一刀彫=高山市本町で

 飛騨地域の伝統工芸「一位一刀彫」で来年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなんだ置物を作る作業が、高山市本町の老舗彫刻店「津田彫刻」で大詰めを迎えている。

 材料のイチイは、雷が落ちにくいという言い伝えから縁起物として知られる。樹齢300~400年の木材を、30~40種類の彫刻刀を使って彫っていく。

 同店では、ともに伝統工芸士の津田真吾さん(69)と兄の和彦さん(76)が、10月下旬から制作を開始。約10センチの愛嬌(あいきょう)があるもの、約50センチの力強いものなど、年末にかけて大小約100個をこしらえる。うろこやひげのある竜は十二支の中でも彫るのに手間がかかるといい、細部まで匠(たくみ)の技が光る。

 真吾さんは「コロナも収まりかけて、観光客も増えてきている。経済も竜のように昇っていく感じになれば」と新年に期待を込めた。置物は同店の店頭を中心に発売されており、価格は3千円台から8万円台まで。 (北川鈴乃)