ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 文化 | 歴史 2023年12月08日
松阪市出身で幕末の探検家、松浦武四郎(1818~88年)の出版活動に焦点を当てた企画展「武四郎の出版活動」が松浦武四郎記念館(松阪市小野江町)で開かれている。武四郎が執筆した著書や書簡などを楽しむことができる。 (芦原遼)
松浦武四郎は6度の蝦夷地調査を行ったことで知られるが、生涯で350点以上の著作を残し、そのうち100点近くを出版している。各地で見聞したことを詳しく記した旅行記や、蝦夷地に関する地図も描いていた。
今回の企画展では、記念館が所蔵している44点の資料が展示してある。武四郎が4度目の蝦夷地調査で使用した「野帳」と呼ばれるメモ帳には、川筋や地形のスケッチ、風習などが記録してある。「四国遍路道中雑誌」には、19歳から巡った四国お遍路参りの記録が記されている。ほかにも武四郎が描いた蝦夷人物びょうぶや、武四郎のおいである専次郎へ宛てた書簡なども展示されている。
同館の世古詩央里学芸員(32)は「武四郎は旅をしている人のイメージが強いが、本を出すなど別の部分もあるということを感じてもらいたい」と魅力を語りつつ、「本は子どもにも親しみを持ってもらえると思うので、ぜひ来てほしい」と呼びかけた。
企画展は来年1月28日までで、毎週月曜日(来年1月8日を除く)が休館日。また12月29日~来年1月3日と9日も休館。開館時間は午前9時~午後4時30分。また12月10日には「武四郎の出版活動」をテーマに、1月14日は「武四郎の正月」をテーマにした講座を開催する。(問)松浦武四郎記念館=0598(56)6847