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【愛知】ウクライナへ届け、平和祈るガラス絵 中区で堀尾一郎さん個展

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術  2024年01月17日

100号のガラス絵4枚を連ねた「ロシア・ウクライナ・イコンの方舟」などを出展した堀尾さん=中区栄2の電気文化会館西ギャラリーで

100号のガラス絵4枚を連ねた「ロシア・ウクライナ・イコンの方舟」などを出展した堀尾さん=中区栄2の電気文化会館西ギャラリーで

 イコン(聖像画)をライフワークとする二科会審査員・中部支部長の画家、堀尾一郎さん(78)=一宮市=の個展「ロシア・ウクライナ・イコンの方舟(はこぶね)」が16日、中区栄2の電気文化会館西ギャラリーで始まった。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって間もなく2年。両国はともにキリスト教の東方正教会をルーツとする国であるとして「1日も早く戦争を終結し、平和になってほしい」との祈りを、100号のガラス絵4枚を連ねた大作に込めた。21日まで。

 個展と同題の大作は縦1.7メートル、横5.6メートル。4面それぞれの中心に、聖母子と家族や十字架から降ろされたキリストを抱くマリアの姿などを描き、周りを四季の花々やさまざまな動物たちの絵で埋めた。その全体を一艘(そう)の方舟に乗せた。

 赤、青、緑といった原色の絵の具をアクリルガラスに載せて描写。白地に浮かぶ明快な色彩と勢いのある筆致が、透明なガラス面を通して鮮やかに浮かび上がる。

 堀尾さんは「軍人でも政治家でもない画家の私にできるのは、声高に反戦を叫ぶのではなく、絵で平和を伝えること。平和への思いを共感してもらえればとの思いを込めて描いた」と話した。

 年1回、新作を披露してきた同ギャラリーでの個展は今回、38回目。他にも、イコンや富士山を題材にしたガラス絵、キリストの十字架降下をモチーフにした油彩画など、新作を中心に約60点を展示した。会期中、堀尾さんは全日在廊し、20日午後2時~3時半、美術評論家の馬場駿吉さんとのギャラリートーク「イコンと戦争を語る」とフルート演奏会を開く。(小島哲男)