ジャンル・エリア : まちおこし | 展示 | 福井 2024年03月05日
「福井市観光交流センター」が2日、グランドオープンした。JR福井駅の東側に連結する施設で「幸福(しあわせ)なふるさとを感じさせる空間」をコンセプトに、観光案内所や待合室、カフェ、屋内広場などを設けて利用者をもてなす。
温かな空間から福井の魅力発信
センター1階の「ふくい観光案内所」は、県と福井市が連携して、県内全域の観光情報を一元的に発信する案内所だ。恐竜や家族をコンセプトに、県内全域340種類以上のパンフレットを並べる。県内観光をサポートするコンシェルジュも配置される。
広さは200平方メートル。県産スギ材を使ったパンフレット台は可動式。台には恐竜の親子をモチーフにしたオブジェが飾られ、福井の子育て環境の良さをPRしている。また県内の伝統工芸品7種類をショーケースに入れて展示している。
案内スペースにはコンシェルジュ3、4人が常駐する。映像翻訳システムを導入し、英語以外にも12カ国の言語と手話に対応している。映像で県内外24カ所の観光案内所などをつなぐチャットシステムも導入した。現地の天気や観光スポットを尋ねることができる。さらに荷物のホテル配送、全国配送、預かりを担当する宅配業者も常駐する。
コンシェルジュも務める同案内所の吉川杏(あんず)所長は「優しい温かい案内所になるよう努めたい。家族を迎えるような気持ちで案内できたら」と話していた。
案内所は年中無休。営業時間は午前8時30分~午後7時。繁忙期は午後8時まで延長される。
JR福井駅西口にある「ウェルカムセンター(福井市観光案内所)」は、この日から福井市まちなか案内所「ウェルカムセンター」に名称変更し、福井市を中心とした観光・交通を案内する。新たに手荷物一時預かりサービスを8日から始める。
屋内広場に巨大な木製骨格
福井市観光交流センターの屋内広場に、フクイラプトルの木製骨格がお目見えした。高さ3.4メートル、長さ8.4メートルの巨大な木製骨格が来県者を出迎える。
同センターの建設に携わった東京都の前田建設工業が、千葉大と共同で開発した木材加工技術を用いて骨格を製作し、福井市に寄贈した。
除幕式では千葉大の平沢岳人准教授が「前田さんから依頼され、難しいと何度か断ったが『ほかに頼める人はいない』と説得され、作ることになった」と紹介。4台の大型ロボットによって削り出した200の木製パーツで作った骨格を見上げ、「なんとか完成にこぎつけた。本当に作って良かった」と喜んだ。
県立恐竜博物館の元特別館長である東洋一さんも来場。「フクイラプトルは平成2(1990)年に前脚の爪から出てきた。日本で初めて新種として報告された恐竜となった」などと紹介していた。 (藤共生)