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【岐阜】羽島の団子、人気全国区へ 看板のみたらし、60年近く製法守る

ジャンル・エリア : グルメ | 岐阜 | 特産  2024年03月08日

全国区の人気となった「はしまだんご」を紹介する斉藤さん=羽島市江吉良町江中の羽島ダンゴで

全国区の人気となった「はしまだんご」を紹介する斉藤さん=羽島市江吉良町江中の羽島ダンゴで

 創業から60年近い歴史を持つ羽島市の「羽島ダンゴ」がつくるみたらし団子が、全国で人気をじわりと広げている。インターネット通販サイトでは売り上げ上位を維持しているほか、東海道新幹線岐阜羽島駅の売店でも羽島土産として好評という。 (尾林太郎)

 同社はフランチャイズを含め、県内や愛知県の商業施設などで計11店舗を展開している。看板商品は、「はしまだんご」の名前で販売しているみたらし団子。二度蒸しでよりもっちりした食感が楽しめる団子に、県内の蔵元から卸している自社専用のしょうゆを使った特製の甘辛いタレがよく絡み、素朴ながらくせになる味わいだ。

 焼きたてを味わえるよう午前2時から自社工場で仕込みを始め、早朝に各店へ出荷。通販用の商品もその場で急速冷凍しており、電子レンジで温めれば店の味を再現できるという。

 客のほとんどが常連といい、長らく地元の団子屋として根付いてきたが、4年前に始まったコロナ禍がきっかけで人気に火がついた。巣ごもり需要で通販での注文が急速に伸び始め、団子の売り上げは多いときでコロナ前の2割増に。全国の地場産品を取り扱うサイト「47クラブ」では、注文件数の総合ランキングで2021年に4位、23年も2位に入った。バラエティー番組でも紹介された。

 他の多くの商品をしのいでランクインした理由について、創業者の孫で営業本部長の斉藤祐さん(35)は「正直、よく分かっていない」と打ち明ける。ただ、問い合わせの電話ではなつかしい味わいを評価する声が多く、「昔、岐阜に住んでいた時に食べたことがある」「父が岐阜出身」などと縁を感じて買う客もいるという。

 「はしまだんご」は創業以来、一度も味や製法を変えていない。斉藤さんはこの点に触れ、「地元でずっと同じことを愚直に続けてきた。育ててくれたお客さんを大事にしてきた結果だと思う」と胸を張る。

 岐阜羽島駅の売店でも3年ほど前から販売。入り口の目立つ場所に置かれ、店からは「他商品と比べても、かなり売れ行きが良い」と聞く。新たな羽島名物として名を広げるチャンスとも言えそうだが、斉藤さんは「全国展開をしたいわけではない。地元への恩返しのつもりで、今まで通り良い物を作り続けたい」と力を込める。

 47クラブでは、はしまだんごの20本セットを税込み3600円で販売中。