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コラム 花紀行

愛知県江南市「曼陀羅寺公園」のフジ

愛知県江南市「曼陀羅寺公園」のフジ

サクラの季節が終わり、
さまざまな花が、次から次へと咲く季節。

各地で藤まつりが始まっている中、
江南市の「曼陀羅寺公園」を訪ねました。

曼陀羅寺は、鎌倉時代(元徳元年=西暦1329年)、
後醍醐天皇の勅願により創建されたと伝わる古刹です。

曼陀羅寺公園は、
その境内4万3000平方メートルのうちの1万平方メートルに、
江南市が購入した隣接地3000平方メートルと合わせて、
1万3000平方メートルを公園として整備されました。

↑園内には藤の回廊が巡らされており、
 その敷地面積は約4700平方メートル。

 通路に沿って散策すれば、
 12品種60本のフジを堪能することができます。

↑色とりどりのフジの花の下を歩くのは、
 何ともいえずいい気分。

↑藤棚の脇では、ボタンをはじめとした
 さまざまな花も見ごろを迎えていました。
 ボタンは約200株あるそうで、
 とても見ごたえがあります。

↑脇役扱いなのがもったいないほど、
 ツツジやシャクナゲもきれいに咲いていて、
 文字通り「花を添えて」いましたよ。

↑こちらは「紫カピタン」という品種のフジ。
 大輪で、房之長さが10~20㌢と短いため、
 カピタンには「甲比丹」や「華美淡」、「花美短」
 の漢字を当てるそうです。

↑「八重黒龍」。
 赤紫色の花で、珍しい八重咲きの品種です。
 「牡丹藤(ぼたんふじ)」とも呼ばれます。

↑「長崎一歳」。
 若木のうちから花を付ける「一歳藤」の系統。
 花房は20~30センチで、
 よく咲いていました。

↑こちらは「九尺藤」。
 長藤の系統で、
 房の長さが九尺にもなるというのが名前の由来です。

 1尺を約30センチと考えると、
 3メートル近くにもなるのかと
 スタッフの方に素朴な疑問をぶつけてみると、
 実際には1~1.5メートルぐらいなのだそう。

 まだ咲き始めでしたが、それでも50~60センチ位はありそう。
 これからどんどん花房が長~く伸びていくということでした。

↑同じく「九尺藤」。
 上の方は咲き始めていますが、
 下の方はまだまだ小さなつぼみがたくさん。
 このつぼみが全部咲くころ、1メートル以上の長さになるのでしょう。

↑こちらは「六尺藤」。
 九尺藤より少し短めなのかな。
 こちらもまだ咲き始めです。
 

↑同じく「六尺藤」。
 素人目には、九尺藤と区別がつきません。

↑「牛島の藤」。
 埼玉県春日部市にある「牛島の藤」は
 国の特別天然記念物に指定されており、
 九尺藤の原木といわれます。
 長藤系統。

↑「黒木の藤」という名札が付いていました。
 「黒木の藤」は福岡県八女市にあるフジの名木で、
 国の天然記念物に指定されています。
 長藤系統。

↑「熊野(ゆや)の藤」という名札が付いていました。
 「熊野の長藤」は、静岡県磐田市にある藤の名木で、
 国の天然記念物に指定されています。
 長藤系統。

↑「本紅」。
 かわいらしいピンク色のフジの花。

↑「白カピタン」。
 紫カピタンと同様、
 花房は短く、大輪の白フジ。
 ころころと丸っこい花がかわいらしい。

↑「ジャコウ」。
 花房の長さは20~30センチで、香りが強い。

 心なしか、
 白いフジの周辺にはほかの品種の花たちよりも
 たくさんのハチが飛び交っていたように思います。

↑「野田白藤」のつぼみ。
 遅咲き品種かな。
 ぎゅっと固まって付いたつぼみが、
 根元に近い方から少しずつほどけていく様子が
 見て取れます。

フジの花は、
その美しさもさることながら、香りが素晴らしく、
これは、実際に見に行かないと体験できません。

また、風が吹くと、
「サワサワ」と花房がこすれ合う優しい音が耳をくすぐり、
五感で楽しませてもらえます。

今年の開花状況はほぼ例年通りとのことですので、
ボタンやツツジなど、ほかの花も合わせて
5月上旬ごろまで楽しめそうですよ。

取材日:2019年4月23日

DATA

曼陀羅寺公園

愛知県江南市前飛保町寺町202
TEL:0587-54-1111(市商工観光課)
※入園無料
※2019年は4月20日~5月6日に「第54回こうなん藤まつり」開催。
 (期間中の午後6時半~同9時はライトアップあり)
 期間中の専用ダイヤルはTEL:0587-56-8739(午前9時~午後5時)

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄犬山線「江南」駅から名鉄バス「江南団地」行きに乗り、「曼陀羅寺公園」下車。
○車
東名高速・小牧ICから北西へ約11km。
※周辺に観光協会指定駐車場が14カ所あり(料金3時間500円)。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。