2009年04月08日
ブカレストの街をさまよった時のこと。かつてチャウシェスク体制打倒を叫ぶ人々で埋まったロマーナ広場近くの路地裏に小さな日本料理店を見つけた。ルーマニアの日本料理いかほどのことと高をくくって入ったら、関西でヒットした歌「やっぱ好きやねん」が耳に響いてきた。
こんなところで、やしきたかじんの歌とは…とたじろいでいたら、碧眼(へきがん)の女性店員が「まいど」と頭を下げる。メニューには、お好み焼きまであるではないか。
女性店主ロディカ・ヌカさん(28)が2007年12月に開業した「Doya(どや)」という店だ。日本文化にあこがれて学んだ大阪で、「庶民の味」に魅せられたという。
「すしや天ぷらばかりが日本料理と思ったら大間違い。本当の日本の味を紹介したい」とヌカさん。注文したお好み焼きに、多めに削り節をかけてくれていた。 (三浦耕喜)