2009年05月03日
任期満了でベルリンを去ることになり、家財の片づけを始めたところ、次の入居者を名乗る女性から連絡があった。残していく家具などがあるのなら、譲ってほしいと言うのだ。
日本でも何度か引っ越ししたが、前後の入居者との間で家財をやりとりした経験はない。ドイツに来る時も冷蔵庫や洗濯機などを有料で処分したが、考えてみれば、次の人に譲ることができれば、お互い得になる。
その下見でわが家に来た女性は、事務所として部屋を使うという。ひと通り一巡した女性は、カーテンやコート掛け、照明、本棚を所望した。大型店で買ったお値打ち品ばかりだ。二束三文で譲ることに、何の異存もない。
汚れたカーペットまで置いていってほしいと言う。こんなもの…とためらうと「いいの。私たちは部屋でも靴だから」。さすが、まったく無駄がない。 (三浦耕喜)