2009年08月13日
鮮やかな新緑はテレビで知っていたが、これほど濃縮されたにおいだとは。
男子ゴルフメジャー「マスターズ」会場のオーガスタ・ナショナルGCは、視覚も嗅覚(きゅうかく)も「緑」づくしだった。
このコースでメンバーがプレーするのは一年のうち数カ月だけ。残りは、木々も芝生も四月のこの大会に頂点を迎えるよう、じっくり手入れに充てられる。芸術の世界だ。
観客も「世界最高のゴルフファン」の振る舞いを求められる。走るのはご法度。ただボランティアスタッフの注意も「No running、please」と、米国にしてはとても丁寧だ。
トイレ待ちに長い行列ができるが、そこでもスタッフが「あそこが空いた」などと案内してくれる。ある時、行列が瞬く間に消えた。「タイガー・ウッズが隣のホールに来たのさ」。スタッフの一人が笑顔で教えてくれた。
(阿部伸哉)