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ベネチア “面”が割れぬように

2010年10月07日

 水の都ベネチアは、だれもが一度は訪れたがる街のひとつ。猛暑の中をアジアからも大勢の観光客がやってくる。市の中心サンマルコ広場は芋を洗うような混雑ぶり。近年は日本人よりも中国人の団体客が目立つ。中国からは物も大量に流入している。

 そのひとつが土産店の店頭に並ぶガラス細工。中国製の輸入品を「(ベネチアの)ムラーノ島製」と偽って売っていた3社14店から総額1300万ユーロ(約15億円)相当の1100万点が押収された。

 中国製は半値以下だが、ロゴをムラーノ製に張り替え、本物と区別できないようにして本物と同額で売られていた。疑わしいガラス工芸品がガラス産業全体の総売上高の65%を占めているとも。

 市内に店を構える友人のマルコは「ムラーノ島の伝統ガラス工芸技術は何百年と大切に保護され、昔はベネチアにしかないものを求めて人が来た。いまやベネチア人自身が偽物を売っている」と嘆いた。(佐藤康夫)

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