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ロンドン 制裁で留学生困った

2011年06月06日

 反体制派の若者たちがロンドンのリビア大使館前で「暴君打倒」と叫んだ。英議会の周辺では反戦市民団体が「軍事介入阻止」とプラカードを振り回す。混迷するリビア内戦の終結を求める抗議行動が英国の街頭で続く。

 大学では、長引く内戦で食費や家賃を払えないリビア人留学生が途方に暮れている。欧米による対リビア制裁の余波で、奨学金の送金が止まったケースが目立ち始めたからだ。

 英紙タイムズによると、リビアから英国への留学生約3000人の8割はリビア企業や政府の奨学金で学ぶ。戦況が膠着(こうちゃく)し学生たちは帰国が難しくなった。カダフィ政権の支持、不支持を超え、母国を離れている間の内戦に不安を募らせる。

 内戦終結は見込めるのか。反体制派が2月に蜂起した後、最前線へ従軍取材した知人の英国人ビラー記者は、反体制派の多くが初めて銃を持つ商店主や少年らだという実情が戦争を一進一退にしていると語った。「威勢よく『自由のために死ぬ』と語ったマシンガンの射手は政府軍の銃撃音に泣きだし、動転してあらぬ方向に手りゅう弾を投げる人までいた」

 リビアは大学進学率7割の学歴社会だが、内戦前でも大学卒業後には仕事がなかった。国と若者の未来が不確かさという一点でつながってしまっている現状がある。(松井学)

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