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パリ 洒脱な食とやぼな職

2011年10月16日

 やはり、「美食の国」フランスはひと味違うと感心させられた。リビアの復興支援会議取材のため、ロンドンから出張することが決まったときのこと。パリ支局の助手に電話すると、開口一番「ランチはどんなものを食べたいですか」と尋ねられた。仕事の前に、まず食事の話が出るとは、素晴らしい。

 そして、会議。報道陣が仕事をするプレスセンターは世界各国の記者が集まったためすし詰め状態で、広いとは言えなかった。

 「急きょ開催することになったのだから、十分なスペースが確保できなかったのだな」と思っていたが、なんのことはない。すぐ横にほぼ同じ広さのホールがあり、そこで、バイキング方式で簡単な立食が取れるようになっているではないか。

 「仕事環境より、まず食事環境」という仏政府の考えが明確に伝わってくる。ランチもおざなりの英国とは大きな違いだ。

 「この国は人生で何が重要なのかを分かっている」と感心していたが、一気に興ざめしたのは会議後のある一件。記者会見に出ようとすると「元首級が出席している国の記者に限る」とのたまう。記者は必ずしも出身国の国益を代表しているわけではない。席数が限られているのは分かるが、こんなやぼな対応は、洒脱(しゃだつ)の国には似合わない。

  (有賀信彦)

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