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ロンドン 罪のボーダーライン

2012年12月20日

 30歳の先生と教え子の15歳の女子生徒が英国からフランスへ恋の逃避行-と聞いて、どう感じるだろう。眉をひそめる人もいれば、面白がる人もいるだろう。よからぬことであることは間違いないが、ワイドショー向けのニュースというのが相場の気がする。

 ところが、英国では大違い。事件発覚後、天下のBBC放送が連日、報道。「港から船に乗った」だの「ショッピングセンターの監視カメラに写っていた」だの、まるで凶悪犯のような扱いだ。

 「恋に落ちた相手が15歳だっただけのこと」と擁護する英紙もある。だが、大半は十分に判断能力のない子どもをたぶらかした誘拐とみなす。「16歳未満」は社会全体が手厚く保護しなければいけないとの考えが浸透しているようだ。

 と、思っていたら、ロンドンの自宅近くの日本人宅でひと騒動あった。幼い子どもが庭で泣いているのを家事をしていた母親が放置していると、隣の英国人が「虐待されているかも」と役所に通報。係員が駆けつけた。

 子どもに外傷がないことから「虐待はない」と判断されたが、係員はひと言いい残した。「たとえ、同じ家の中でも子どもを違う場所に1人にしてはいけない」。好まずとも避け得ない時はある。そう反論したくなるのは意識が低すぎるのだろうか。 (有賀信彦)

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