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英エディンバラ 民族主義 国揺るがす

2014年10月12日

 英スコットランドの古都エディンバラのパブで、フランス人の話し声が聞こえてきた。

 「スコットランド人の方が、イングランド人よりましだね」

 私の隣でイングランド人の知人が顔をゆがめている。

 9月18日に英国からの独立を問う住民投票を行うスコットランド。307年前にイングランドに事実上併合され、民族も言葉も異なる国同士の連合王国となった。

 かつてフランスとスコットランドが共通の敵イングランドに対抗する同盟国だった歴史を知ってか知らずか、フランス人は知人をスコットランド人だと思い込んで話し掛けてきた。

 「イングランドは君たちにひどいことをしたよな」

 自分はイングランド人だと明かすと、フランス人は「君たちは帝国主義だ」と大英帝国を持ち出し、知人は「ナポレオンだってそうだろ」とやり返した。両国民の間には今も、歴史が影を落としている。

 ナショナリズム(民族主義)の気配が、スコットランドの街角に漂う。知人は「たとえ独立がノーだったとしても、英国民は分裂していきそうだ」と嘆いた。 (石川保典)

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