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【京都】寺院と重文歴史息づく 「京の冬の旅」バスツアー 京都市

ジャンル・エリア : 展示 | 神社・仏閣 | 自然 | 芸術 | 近畿  2019年01月24日

ほほ笑ましい虎の親子を描いた「竹虎図」の一部(高精細複製品)=京都市の妙心寺天球院で

ほほ笑ましい虎の親子を描いた「竹虎図」の一部(高精細複製品)=京都市の妙心寺天球院で

 京都市と市観光協会のキャンペーン「京の冬の旅」で、15寺院で、普段は見られない貴重な文化財が特別公開されている。4寺院を巡る定期観光バスの特別コースに参加した。

 最初に日蓮宗本法寺で、生誕460年を迎える狩野山楽の大作「唐獅子図屏風(びょうぶ)」を鑑賞。京都学生ガイド協会所属の京都大工学部2年生白井洵さん(21)の「町中に由緒あるお寺と優れた文化財があるのが京都のすごいところ」という言葉に同感した。

 続いて、京都で一番大きな寺院という臨済宗妙心寺を訪れた。敷地は10万坪で、いくつものお堂や塔頭(たっちゅう)が立ち並ぶ中を自動車や自転車が走っており、町の中を歩いているような気がした。塔頭の一つ、天球院では狩野山楽、山雪による障壁画(重要文化財)の「竹虎図」「梅に遊禽(ゆうきん)図」「籬草花(まがきそうか)図」の高精細複製品を見た。竹虎図には3匹の虎の親子のほかに、なぜか1匹のヒョウが描かれていた。

 疑問を解いてくれたのは、ガイドの京都女子大文学部3年生藤田知香さん(21)。「当時の日本人は実物を見たことがないので、中国から入ってきた毛皮をもとに描き、小さなヒョウは虎の雌だと思っていたらしいんです」。見ていないのにうまいもんだと感心する一方で、しっぽが長すぎ模様も少し変だと思った。誰もがそう思うのか、藤田さんは「毛皮にはしっぽと耳は付いていなかったそうです」と続けた。

 昼食後、真言宗智積(ちしゃく)院へ。生誕480年の長谷川等伯の障壁画「楓(かえで)図」と、息子の久蔵の「桜図」(国宝)が有名だが、賓客を迎える宸殿(しんでん)が特別公開されており、文化勲章を受けた堂本印象が現代風俗を描いた障壁画「婦女喫茶図」が目を引く。

今川義元の直筆の書状について話す雲林院宗碩住職=京都市の建仁寺霊源院で

今川義元の直筆の書状について話す雲林院宗碩住職=京都市の建仁寺霊源院で

 最後は、臨済宗建仁寺の塔頭霊源院。かつて、今川義元は霊源院で出家し、還俗(げんぞく)して戦国大名になったという。雲林院宗碩住職(42)は「今川家の菩提(ぼだい)寺の住職太原雪斎(たいげんせっさい)が若いときに修行した縁で、義元は当院に来ました」と語り、義元や織田信長、千利休の直筆の書状が展示されていた。京都には歴史が脈々と受け継がれていると感じたバスの旅だった。 (松田士郎)

 ▼ガイド 「京の冬の旅」では、凜(りん)とした空気が漂う禅寺の朝の風情を体験する、定期観光バス朝の特別コースも設定されている。JR京都駅烏丸口を午前8時に出発し、通常非公開の大徳寺の塔頭大慈院で座禅をし、朝食には精進料理を味わう。同寺本坊で狩野探幽の障壁画を鑑賞し、本法寺も訪ねる。2月24日までの土日祝日に運行。予約センター(電)075(672)2100

(中日新聞夕刊 2019年1月24日掲載)

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