2019年05月07日
24日投開票のタイの総選挙に向け、各陣営の選挙運動が熱を帯びてきた。先日、首都バンコクの繁華街で、ある党の幹部と候補者が運動員らとともにプラカードを掲げ、練り歩く場面に出くわした。
数十人がおそろいのジャンパーに身を包み、市民に握手を求めたり、話しかけたり。立候補の届け出時にそれぞれに政党番号が割り当てられており、「○番に投票を!」と連呼する。
一緒にいたタイ人の知人に「日本では、こういうのを『桃太郎作戦』って言うんだよ」と教えると、知人は「なるほど」と納得した様子。イヌ、サル、キジを従えて鬼退治に向かう桃太郎の昔話を知っていた。
候補者のポスターならぬ立て看板も街角に目立ってきた。一部地域を除き、あちこちの街路樹や電柱にくくり付けられている。看板に邪魔され、歩きにくくなった歩道もある。
「日本では指定されたポスター掲示板でしか貼れない。迷惑では?」と水を向けたら、「タイの方がむしろ自由でいいじゃない」と知人。軍事政権から民政復帰に向け、約8年ぶりに実施される総選挙を楽しんでいるようだった。 (山上隆之)