ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史 2019年06月06日
県が明治後期-大正期に立山カルデラで行った黎明(れいめい)期の砂防事業を振り返る企画展「立山砂防の原点」が、立山町芦峅寺の立山カルデラ砂防博物館で開かれている。資料やパネルなど20点を並べ、事業の概要や歴史的な価値を紹介している。7月7日まで。
立山砂防を巡っては、国が直接乗り出す以前、県が石積みえん堤など多くの施設を建設したが、たび重なる土石流で破壊されたと考えられてきた。しかし、国土交通省立山砂防事務所の昨年までの調査で、一部の施設は現存し、今も機能していることが分かった。
企画展では、県営砂防時代の新資料「立山砂防區(く)域平面圖(ず)」を初めて公開。1922(大正11)年7月の豪雨災害の前後に作られたと推定され、東京大で発見された。豪雨の影響や工事の位置が示されている。
白岩えん堤などの近代砂防施設をドローンで上空から撮影した映像も上映。県が世界遺産の登録を目指す施設のスケールの大きさや複雑な構造を把握できる。
6月の「土砂災害防止月間」に合わせ、立山砂防事務所の協力で開いた。観覧料は一般400円。大学生以下と70歳以上は無料。月曜休館。(問)立山カルデラ砂防博物館076(481)1160
(山本真士)