ジャンル・エリア : 岐阜 | 文化 | 歴史 2020年09月08日
養老町は7日、同町養老の「千人塚1号古墳」が、5世紀末~6世紀初頭に造られた全長35メートルの円墳であると分かったと発表した。この時期の円墳では西濃地域で最大級という。
古墳は大正時代の文献に記載があり、古くから存在が知られていた。町教委の広瀬正嗣学芸員(31)を中心に昨年7月、本格的な発掘調査に着手。町で初めて出土した埴輪(はにわ)を手掛かりに、時代を特定した。
町には、このあたりでヤマトタケルが滞在したとの伝承がある。養老の滝に2キロと最も近い古墳で、埋葬されたのはかなりの有力者だと推定できるという。
東海地方の古墳に詳しい愛知県犬山市のNPO法人「古代邇波(にわ)の里・文化遺産ネットワーク」の赤塚次郎理事長は「時代が特定できたことが大きい。養老の地に唐突ともいえる円墳の出現は、歴史的な出来事に起因した可能性が高い」と話す。
埴輪は円筒埴輪で、150個を超えるかけらが出土した。大野町などで出土している尾張型埴輪に交じり、材質などの特徴が違うものもある。古墳と埴輪は9日に報道公開する。13日午前10~11時半に予約不要で1般向けの現地説明会を開く。 (藤野治英)