ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 石川 2021年07月09日
コロナ休業が転機 人気の裏メニューで勝負
コロナ禍で休業していた白山市相木町のうどん専門店「タマリバかんすけ」が、夏は冷や麦が自慢の「メンツル食堂」として土日限定で営業を再開した。休業中に麺作りの原点に立ち返り、うどん店時代の常連客から隠れた逸品として人気だった冷や麦に着目した。店主の池元豪(つよし)さん(42)は「地元の声に耳を傾けながら行動を起こしていきたい」と、意欲的な再スタートを切った。 (都沙羅)
冷や麦はうどんを細くしたもの。麺は白山麓産の小麦を使用し、コシのあるつるりとしたのど越しが特長。2010年の開店時から通う町内の40代男性は「冷や麦は裏メニューながらおいしかった」と話す。
コロナ禍で苦しくなる経営を見直すため、池元さんは今年4月28日から休業。冷や麦は10年前から製麺にこだわり続け、客からも好評だったが、改めて作り方を1から見直した。うどんの3割の細さに変えると、ゆで時間も13分から3分に減りスピーディーな提供も見込めた。暑い夏に再オープンできるよう、店内の感染対策や改修に奔走した。
1皿440円(税込み)。麺はうどん店時代から併設する製麺所で打ったもの。つけ汁は、吉市醤油(しょうゆ)店(安吉町)のしょうゆを使った「漆黒汁」や、同市特産のトウガラシ・剣崎なんばを使った「赤から汁」など3種類から選べる。河内地区産の堅豆腐を使ったマーボー豆腐など地元食材を使ったおかずもお薦めで、丼物もある。
コロナ禍の中、自宅で店の味を楽しめるよう、うどんの冷凍商品も製造している。
妻の美絵さん(37)とともに、今月3日に営業初日を迎えた池元さん。「コロナは最悪だけど、状況を何も変えられない方がもっと最悪。やりがいを持って麺を打ち続けたい」