2018年01月26日
力を入れているのかいないのか、分からなくなった。平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕を100日後に控え、仁川(インチョン)市内で行われた聖火関連イベントでの警備のことだ。
空港での式典取材の事前申請では厳重なチェックを受けた。ノートパソコンとカメラに加え、長短2種類のレンズやストロボに至るまで、メーカーと機種名、型番の提出を求められた。面倒ではあったが、さすが五輪だと感心したのも事実だ。
だが、空港を離れた場所での聖火リレーの警備は惨憺(さんたん)たるものだった。走者を務める芸能人やスポーツ選手を一目見ようと多くの一般人が詰め掛けた。その人たちが報道用の規制線を越えて堂々と走者に近づき、撮影を始めたのだ。
報道カメラマンと一般人が入り乱れ、現場は「どいて、どいて」「撮影できないだろう」と怒号が飛び交う大混乱。上空には数台のドローンも飛び交う。もし暴漢や危険人物が現れたら・・・。背筋が寒くなった。
さらに、混乱に対して謝罪したのは、なぜか、大会組織委ではなく聖火ランナーだった芸能人の一人だ。本番では不備のないことを願いたいのだが。 (上野実輝彦)