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英ボストン 移民との共存を模索

2019年08月02日

 ボストンといえば、米国の都市が有名だが、本家は新大陸の開拓者を輩出した英東部の小さな街。米ボストンの10分の1しかない人口6万8000人のうち移民が30%を占める。移民への反感から、欧州連合(EU)離脱を問う国民投票では、英国最多の75.6%が離脱を支持した。

 街の中心部は「東欧のゲットー」と呼ばれ、住民から「午後6時以降は行くな」と警告された。集団で歩く若者たち。目がうつろで足元がおぼつかない者もいる。青年の1人が目の前で立ち止まり、私のカメラをじっと見た後、黙って立ち去った。

 地元のアントン・ダニ市議にそれを話すと「英国人にだってそんなヤツはいる。街にある東欧系カフェのコーヒーやケーキはうまいのに、英国人はまず来ない。壁をつくっているのは英国人の方だ。すべてを移民のせいにしている」と諭された。

 取材から1カ月半後、ダニ氏から連絡が来た。「市長に選ばれた。分断したこの小さな街のすべてのコミュニティーをまとめたい」。400年前、移民として米国に渡ったボストンの人々。今度は新天地を求めやってきた移民を受け入れ、共存の道を模索し始めた。 (沢田千秋)

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