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パリ 甘過ぎる面会人検査

2019年08月01日

 耳を疑った。パリ近郊にある欧州最大規模のフルリー・メロジス刑務所前。受刑中の夫との面会に来た女性が「厳しい手荷物検査なんてないわ。金属探知機も、何回も鳴らなければ大丈夫」とセキュリティーチェックについて話してくれた。

 3月には別の刑務所で、面会人の妻が持ち込んだセラミックス製の刃物で受刑者が刑務官を襲う事件が発生。女性に話を聞き、合点がいった。容疑者でもない面会人に対する厳しい所持品・身体検査が「人権侵害」とされるフランスでは、材質次第で凶器を持ち込めるわけだ。

 仏メディアによると、2018年は持ち込み禁止物7万個を押収し、うち携帯電話が4万台だった。獄中から証拠隠滅の指示も可能だろう。所内で危険な目に遭うことも多い刑務官らは当然、問題視しているが、法改正を担う議会の反応は鈍い。

 「日本は厳しいらしいね。ムッシュー・ゴーンは保釈されても携帯の使用が制限されてるって?」。日産自動車前会長の勾留と保釈には、彼らも関心を寄せている。話し掛けた刑務官に逆取材された後、「俺たちにだって人権はあるんだよ」とため息をついた。 (竹田佳彦)

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