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ベルリン 展望台? 実は砲塔跡

2019年10月18日

 「ベルリン地下世界協会」が主催する夜のイベントに参加した。協会は、第二次大戦当時の防空壕(ごう)や東西冷戦期の核シェルターなど地下遺構を保存し見学ツアーを行っている。

 普段のツアーは施設ごとなのだが、一夜限りのイベントは午後6時から午前2時まで10カ所を自由に回れるのだ。中でもナチスの高射砲塔跡に衝撃を受けた。

 高射砲塔は空襲から首都を防衛するために建設された防空要塞(ようさい)。70メートル四方、高さ39メートルの巨大なコンクリート造りで上部に128ミリの対空砲が備えられていたという。

 ヘルメットをかぶって中に入ると、むき出しの鉄筋や崩れた壁がそのままだった。「戦後に破壊されたのですが、隣接する鉄道への被害を防ぐため、半分だけ残ったんですよ」と案内係の男性。下層階へ行くほど空気はひんやりとしていた。

 高射砲塔なのに、なぜ地下にあるかといえば、空襲で破壊された建物の瓦礫(がれき)を集めて埋められたからだ。その量は東京ドーム約1.3個分。今では木々が生い茂る公園の丘になっている。ずっと展望台だと思っていたのは、砲台があった高射砲塔の上部だった。 (近藤晶)

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