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米ウェスタリー 戦勝と終戦の隔たり

2019年12月10日

 全米50州で最も面積が小さい東部ロードアイランド州は、第二次世界大戦の戦勝記念日として8月の第2月曜日を祝日にしている唯一の州でもある。毎年恒例という記念日の式典を取材するため州西部にある海辺の町ウェスタリーを訪ね、広島と長崎への原爆投下や大戦を巡る認識の隔たりを思い知った。

 式典前、時間をつぶそうと会場近くの図書館に行くと、祝日のため休館だった。筆者と同じように休館と知らずに来た若い男性がつぶやいた。「あ、きょうはVJデーか」。州法上は戦勝記念日だが、実際には今なお「ビクトリー・オーバー・ジャパン・デー」(対日戦勝記念日)として広く認知されている。

 地元メディアによると、これまで日系人や経済団体から祝日の見直しを求める声が何度も上がり、州政府や議会が「平和と追悼の日」への変更などを模索したが、不調に終わってきた。

 若い世代ほど原爆投下に否定的な見方が強まる中、式典で退役軍人の男性(63)は「原爆投下を非難する人もいるが、たくさんの命が救われたんだ」と強調。そして、こう締めくくった。「ハッピー・ビクトリー・オーバー・ジャパン」 (赤川肇)

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