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ワシントン 歴史刻む責任の重さ

2020年01月20日

 約470の言語にわたる書籍や写真、絵画、地図など1億6800万点以上を所蔵する米議会図書館。世界最大の知の宝庫に、東京新聞を発行する中日新聞の縮刷版326冊と社史3冊(110年、120年、130年)を寄贈した。

 縮刷版は支局に1985年10月号から保管されていた。冷戦崩壊前夜の昭和末期から平成の世を全て網羅できると意気込んで整理したところ、途中かなりの期間に欠号があることが分かった。それでも、同館アジア部の皆さんは「大変貴重な資料」と、快く引き取ってくれた。

 司書の伊東英一さんによると、図書館には1日平均、約1万5000点の資料が世界中から寄せられ、精査の結果、1万点以上が蔵書に加わる。寄贈した縮刷版には、1冊ごとにハードカバーの装丁が施されるという。

 「蔵書はオンラインカタログで簡単に検索できます」と、司書のキャメロン・ペンウェルさん。「中日新聞」と漢字で検索すると130点余りが表示され、寄贈した縮刷版と社史も加わった。どんな人が手に取るだろう。期待が膨らむとともに、歴史を刻む責任の重さをあらためて感じた。 (岩田仲弘)