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ワシントン 不安な気持ち皆同じ

2020年08月09日

 新型コロナウイルスの感染がワシントン周辺でも拡大し始めた3月半ばすぎのこと。「陽性だった。もしあなたたち家族も熱が出たら、すぐ病院に行って」。知人の米国人女性から驚きの電話。その時まで、自分の周辺で実際に感染する人が出るとはあまり想像していなかった。

 何しろ彼女に熱が出たのは、わが家で家族とともに数時間過ごした3日後。まだ外出禁止令もなく、マスクもしていなかった。既にウイルスを持っていた可能性は大いにある。ハグはしていないが、握手はしたか…。

 それから2週間以上、家族全員、食料品の買い物以外は誰とも会わなかった。幸い誰も体調に変化なく胸をなで下ろしたが、その間は「もし熱が出たら、どうしたらいいか」「米国で入院したら、費用はいくらかかるのか」と心配は尽きなかった。

 知人も重症化せず回復。感想を聞くと「人生で一番ひどいつらさ」だったという。「これで免疫を得たから、旅行も行けるしマスクも要らない」と冗談めかすが、彼女もきっと不安だったはず。多くの死者や生活の危機に立つ人、医療関係者を考えれば不謹慎だ、と注意する気にはならなかった。 (金杉貴雄)

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