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米ベセスダ 長男の熱で右往左往

2023年03月24日

 平日の昼下がり、見知らぬ番号から電話がかかってきた。「息子さんが高熱を出しました。迎えに来てください」。10歳の長男が通う現地校からだった。

 慌てて自宅のあるワシントン郊外のベセスダに戻り、長男を小児科へ。インフルエンザのようだが、新型コロナウイルスとの同時流行で患者が殺到。検査結果がすぐに出ないという。薬も処方されず、市販薬を買うよう指示されただけだった。

 長男はその夜から週末まで4日間、40度以上の熱が続いた。解熱剤を飲ませても、しばらくするとまた高熱に。救急病院は受診まで3~4時間も待たされると聞かされ、家で寝かせるしかなかった。肺炎に似た症状が出始めたので週明けに小児科を訪れ、抗生物質を処方してもらって、やっと熱が下がった。

 日本ならすぐに検査結果が出て対処法も分かるのに、原因が分からずにハラハラし、薬が切れると深夜に薬局に走る。何ごともままならない米国暮らしをあらためて痛感させられた。

 検査結果が届いたのは長男が治った後。高い医療費を請求される割には安心感はあまりないよなあ、と思わず愚痴らずにはいられなかった。 (浅井俊典)