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ワシントン 前向きなネガティブ

2020年10月04日

 全米で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、首都ワシントンも例外ではなく、PCR検査を随時受けている。人種差別撤廃を訴える抗議デモを取材し、約2メートルのソーシャルディスタンス(社会的距離)を保てない日が続いたからだ。

 取材ではもちろん、マスクをしている。デモ参加者も大部分は着用。マスクは米国の生活に定着しつつあり、マスク姿の抗議活動が全米で広がるのは史上初めてだろう。検査会場には「集会で演説するため検査に来た」という人もいた。トランプ大統領やその支持者らと異なり、市民の義務を果たそうという責任感を感じる。

 デモ参加者の中には、声を掛けた途端「よく聞いてくれた」とばかりにマスクを外す人もいる。こちらも身を乗り出して聞いているうちに社会的距離はどんどん縮まる。

 無料の検査は予約が不要。結果は数日後、市のウェブサイト上で通知される。これまでの結果は全て「ネガティブ(陰性)」。一瞬、試験で「不合格」を突きつけられた妙な感じにとらわれるが、歴史の大きな転換点に立っていると思うと、すぐポジティブになれた。 (岩田仲弘)

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