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バンコク 打てるが…どうする

2021年06月18日

 「明日午前中、バンコクの病院で打てるけど、どうする?」。支局スタッフから連絡が入ったのは4月下旬の夜。新型コロナウイルスのワクチン接種を、医療従事者らハイリスク群へ急いでいるころ。政府関係者らと接する記者も含まれるという。

 タイは、ワクチン調達で後手に回ったとされる。庶民が無料で接種できるのは、国際的なお墨付きとなる世界保健機関(WHO)の承認が6月にずれ込んだ中国製か、血栓の発症が一部報告された英国製のどちらかだ。大学のアンケートでは、6割以上が「接種を希望」。だが「信頼できるワクチン」の上位3位は、米国製が占めた。

 複雑な心情は、不信感からか。政府プログラムで2つのワクチンを供給するのは、王室が株主の製薬会社と財閥企業。採用決定は「安全より利益が優先された」と批判され、信頼への足かせにも。病院勤務の知人も「接種はした。でも、仕事上やむを得ない判断で」と苦笑した。

 結局、接種は見送った。優先枠が引っ掛かったのが少しと、決めきれなかったから。だが、迷いなく打てるのはいつだろう。郷に従っておけばよかったか、とも思う。 (岩崎健太朗)

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