2021年09月21日

　以前にオンラインで取材したことのあるアフガニスタン出身の元米軍協力者イスマイル・カーンさん（３５）を、米北西部シアトル郊外のケントにある自宅に訪ねた。今は特別移民として出国を目指すアフガン人を支援している。タリバンの実権掌握後、暴虐から逃れようとする難民希望者からの連絡がひっきりなしに届いているという。

　呼び鈴を押すなり、携帯電話で話しながら出てきたカーンさん。別の取材に、アフガンの窮状を訴えていた。ほかにも、航空会社に退避のための便を出すよう求めたり、難民希望者の情報を米国務省に送ってビザ発給を急がせたりと、多忙を極める。かたわらで、やはり特別移民ビザで入国したアフガン人数人が手伝っていた。

　「日本の大使館や外務省にも、何とか働きかけてくれないか」と、カーンさんに切実な目で訴えかけられた。「しかし、日本は…」。世界の中でも特に難民の受け入れが非常に少ない国です、と言わないうちに「分かっている。日本政府から、ほかの国に難民を受け入れるよう求めてほしいだけだ」と言われた。情けなく、申し訳なかった。　（吉田通夫）