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リヤド せっかくの衣装も…

2022年03月09日

 サウジアラビアで新年のカウントダウン行事があると聞き、耳を疑った。サウジはイスラム教の戒律に厳しい。イスラム暦ではない西暦のカウントダウンを祝うとは…。一体どんな様子か見たくなり、年越しを首都リヤドで過ごしてみた。

 某所であったカウントダウン行事は、まさに驚きの連続だった。女性は髪を覆う布「ヒジャブ」や全身を覆う衣装「アバーヤ」を身に着けているものの、男女が入り乱れたパーティー状態。ヒジャブがずり落ち、髪があらわになった女性もいた。

 一般に、サウジには「女性に厳しい」というイメージがある。私も女性のヒジャブとアバーヤは必須だと思い、カイロの古着屋でアバーヤを買っていった。しかし、現在は過度な肌の露出がなければ服装は自由だという。女性の多くが「ここ数年でサウジは変わった」と口をそろえ、女性の運転手も見かけた。

 「なるほど」と思う半面、せっかく準備したアバーヤがなんとももったいない。滞在中はずっと着てみたが、裾のさばき方が難しく、何度も自分で踏み、タクシーのドアに挟み、最後には一部が破れて本当の「古着」となった。 (蜘手美鶴)