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ソウル 若者魅了ノガリ横町

2022年08月22日

 ソウル中心部の地下鉄「乙支路3街(ウルチロサムガ)駅」近くに、昔ながらの小さな印刷所や工具店などが残る一角がある。

 路地は夕方になると、プラスチック製のテーブルや椅子がずらりと並び、即席のビアガーデン「ノガリ横町」に変身する。

 ノガリは、スケトウダラの干物を軽くあぶり、唐辛子みそやマヨネーズを付けて食べる韓国のおつまみだ。1枚1000ウォン(約100円)程度の格安の干物と、生ビールを2杯飲んでも1万ウォンほどで満足できる。

 新型コロナウイルス感染が落ち着いてきたので、飲みに訪れた。もとは仕事帰りのサラリーマン客が多かったが、数年前から20~30代の客が増え、8~9割を占めるようになったという。

 隣席の大学生らが、魅力を語ってくれた。「新しいレトロという意味の『ニュートロ』という言葉がブームで、ノガリ横町は代表的なホットスポットなんです」。伝統的な商店街が再開発で次々に消え、高層ビルに建て替えられ画一化が進むことへの抵抗感もあるという。40代の私は若者に共感し、ビールを振る舞って、乾杯した。 (相坂穣)