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北京 安さ魅力 ロシア産品

2022年08月29日

 近所の輸入食品スーパーで、ロシア産のアイスクリームモナカが格安販売されていた。「3個で9.9元(約190円)」。店は外国人が多く住む地区にある。ウクライナ侵攻以来、ロシア産品を手に取る人が減り、売れ残っているのだろう。

 新型コロナ対策・ゼロコロナによる厳しい行動制限が続く北京。ストレスから毎日けんかを繰り広げる2人の子どもをやめさせるために、アイスクリームは有効なアイテムだ。しかし、1つ15元(約300円)以上もする日本産や米国産には手が伸びない。プーチン政権を支援しているような複雑な気分にさいなまれつつも、結局、割引のロシア産アイスモナカを6個買ってしまった。

 北京では物価が上がっている上に、昨今は人民元に対して円安が著しい。48元のランチを円換算すると、昨年まで800円程度だったものが今は940円になる。

 生活コストが日々高くなる中で、店内を歩くとジュースやビールなどロシア産の安さが目につく。せめて円の価値がもっと高ければ、格安の値札にここまで強く誘惑されることはないはず。買い物をしながら、日本の国力を痛感した。 (白山泉)