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中国・大連 旧交温めるは口実?

2022年09月06日

 中国入国後の隔離措置で2週間、大連のホテルの部屋から一歩も出られなかった。単調な日々で気がめいりそうになったが、それを紛らしてくれたのが交流サイト(SNS)。隔離中の様子を投稿すると、知り合いから「ようこそ中国へ」「いつ北京に来るの? 歓迎会するよ」などの連絡があり、励みになった。

 そんななか、ある中国人男性から「久しぶり。覚えている?」と電話があった。一瞬戸惑ったが、前回赴任時に出張先で知り合ったという。その後ほぼ音信不通だった彼から連絡をもらってうれしいと同時に、なぜ今ごろ連絡が来たのか、と不思議に思った。

 その理由は話しているうちにみえてきた。「健康関連の製品を扱う日本企業について詳しくないですか」との質問に続き、「中国も日本と同じように高齢化が進んでいる。だから日本の健康関連の製品は中国で売れるんじゃないか」と。

 どうやら彼の目的は旧交を温めることを口実に、商売のつてを探ることにあったようだ。ややあきれつつも、あふれるバイタリティーに触れ「中国に戻ってきたんだなあ」と実感させられた。 (新貝憲弘)