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マドリード 自動翻訳で情熱対話

2022年10月11日

 マドリードで日本のたい焼きを模したアイスクリームが人気だと聞き、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の出張の合間に取材に訪れた。スペイン語を話せないので不安だったが、経営者のベアトリスさん(41)とは事前に通信アプリでやりとりし、毎回流ちょうな英語で返事が来たので安心していた。

 取材には筋肉ムキムキのパートナーのマルコさん(35)も同席。笑顔のすてきな2人に早速質問を始めると、彼女は猛スピードで携帯に文章を打ち込んで私に見せた。スペイン語から英語への自動翻訳画面だった。なるほど、そういうことか。

 しかし、これは便利だ。英語の質問は単純なのですぐに理解してくれ、回答を2人で入れ代わり立ち代わり、文章と音声で入力して翻訳画面を見せてくる。そのスピードと量に圧倒され、読んでメモを取るのに必死だった。こういう取材は初めてだったが、新鮮だった。

 2人のたい焼きアイスにかける情熱は十分伝わり、いつか日本で出店したいという夢も聞いた。言葉が話せなくてもこうして通じ合える時代なのだ。たい焼きだけに、まさに目からうろこの経験だった。 (加藤美喜)