【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. 中国
  5. 中国・西安 現地でこそ 本場の味

中国・西安 現地でこそ 本場の味

2022年11月16日

 日本で西安といえば、最近話題の「ビャンビャン麺」だろう。「ビャン」という字が非常に複雑なのと、きしめんより幅広い麺が特徴で、コンビニでも販売されているので食べたことがある人もいると思う。

 先日出張で西安を訪れたのを機に本場の味を試した。特に有名店でもなく、店内はガラガラだったが、つるっとした表面にもちもちとした歯応えの麺はまさに絶品。北京に戻ってから、「あの感動を再び」と近所の店で食べたが、味付けは同じなのにやはり本場には及ばなかった。

 同様の思いを前にも受けたことがある。日本でも数年前にちょっとしたブームとなった蘭州ラーメンだ。やはり現地で食べた麺は細くてしっかりとコシがあり、日本や北京で食べたものとは、似て非なるものだった。いずれも麺一つでここまで変わるのかと衝撃を受けたが、気候や風土が見えない形で影響しているのだろう。

 新型コロナウイルス禍で移動がままならない中、物流やネットの発達でさまざまな料理が容易に食べられるようになった。それでも本場の味はやはり現地でしか味わえない、この魅力は代え難い。 (新貝憲弘)