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カイロ ネバネバ料理「合戦」

2022年11月25日

 日本の友人が、「今日、これを食べた」といってジネンジョのとろろご飯の写真を送ってきた。もちろん、カイロで食べられるはずもなく、激しく嫉妬した。ジネンジョは私の好物で、友人はそれを知った上で写真を送ってきた「確信犯」だった。

 カイロにも似たようなネバネバ系の食べ物はないものか。思い付いたのがモロヘイヤのスープだった。モロヘイヤはエジプトで常食される野菜で、スープにするのが一般的。伝統的な家庭料理で、古代エジプトのクレオパトラも食したとされる。

 作り方はとても簡単だ。モロヘイヤの葉をとにかく細かく刻み、鳥肉と野菜を煮て作ったスープと混ぜるだけ。味付けは塩などを加える程度だ。葉を細かく刻めば刻むほど粘り気は増し、ミキサーを使えばジネンジョにも匹敵する粘りをみせる。

 さて、このスープ、野菜が材料なだけあって色は深い緑。粘り気はジネンジョ級だが、ご飯にかけると強烈な見た目になる。それ以前に、ご飯にかけておいしいのかどうかが分からない。取りあえず友人に写真を送ると「いいなぁ、食べたい」。ささやかなリベンジを果たした瞬間だった。 (蜘手美鶴)