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【三重】せんぐう館が7日に2年ぶり開館 17年の台風で浸水

ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 文化 | 歴史  2019年11月07日

復旧した外宮正殿の原寸大模型=伊勢市豊川町のせんぐう館で

復旧した外宮正殿の原寸大模型=伊勢市豊川町のせんぐう館で

 2017年10月の台風21号で浸水し、休館していた伊勢神宮外宮(伊勢市)にある博物館「せんぐう館」が7日、約2年ぶりに開館する。

 せんぐう館は式年遷宮で受け継がれてきた技術や風習を未来に伝えるための資料館として、12年4月に開館。原寸大の外宮正殿の模型や遷宮の度に奉納される工芸品などが展示されていた。17年の台風では、せんぐう館近くにある外宮勾玉(まがたま)池に付近の勢田川から水が流れ込み、地下1階、地上1階の建物や展示物に被害が出た。

 同館は今年10月末に改修を終えた。浸水対策として、高さ120センチの止水壁を建物の周囲に張り巡らせたほか、止水扉も6カ所に設置。外宮正殿の模型のかやぶき屋根をすべてふき替えるなど、休館前に展示していた所蔵品はすべて復旧し、従来通り展示する。

 また、改修に際して、鳥総(とぶさ)というきこりの文化を紹介するスペースも新設した。鳥総は、木材として使用した樹木の切り株に、木の先端を突き刺し、伐採した木へ感謝を示し、再生を願う文化で、式年遷宮でも執り行われている。同館では、樹齢約100年のヒノキの切り株と先端を実際に展示し、文化を紹介するとともに、伊勢神宮が実施している山づくりを紹介している。

 せんぐう館を管理する神宮司庁の鐙谷(あぶみや)嘉樹さん(42)は「鳥総は視覚的に分かりやすく式年遷宮の山づくりを伝えることができる。日本人が受け継いできた精神を広く知ってもらえれば」と話した。

鳥総を紹介する新設された展示=伊勢市豊川町のせんぐう館で

鳥総を紹介する新設された展示=伊勢市豊川町のせんぐう館で

 入館料は一般300円、小中学生100円、未就学児は無料。

 (高橋信)