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【静岡】古新聞、リアルな動物に変身 葵区で作品展示

ジャンル・エリア : 動物 | 展示 | 芸術 | 静岡  2020年10月19日

展示の背景を制作する高校生たち

展示の背景を制作する高校生たち

 古新聞から作った原寸大の動物を、立体的に配置して展示する「波動の調和」が17日、静岡市葵区の市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)で始まった。初日は高校生が背景の制作を手伝い、会場の空間が完成した。 (保坂千裕)

 富士市に拠点を置く、一ツ山チエさんと玉井富士(とみじ)さんが制作した動物は、古新聞で作った無数のこよりで、毛並みまで再現されている。顔も、絵の具で描くのではなく、カラー印刷の広告面やスポーツ紙を組み合わせて作る。

 玉井さんは「人間の営みを記した新聞が、形を変えて動物になるのが面白い」と話す。地方に赴いて制作をする場合は、地元紙を使い、現地の人々の生活ぶりを動物の生命力に変える。

 空間の使い方も作品とみなす「インスタレーション」という現代的な手法を使い、ひとつひとつの配置にもこだわった。会場の動物たちは、床に並ぶだけなく、木のやぐらに乗り、それぞれが共存している様子が演出されている。

作品の配置が工夫され、ユーモアあふれる会場

作品の配置が工夫され、ユーモアあふれる会場

 サルとナマケモノが会話をしているように見せたり、釣りをしているサルをワニが狙っていたり。ユーモアある配置をするのは、「ただ面白いことをしたいだけ」と玉井さんは話す。

 インスタレーションの仕上げとなる作品の背景は、地元の静岡大成高校の美術部員20人が制作した。作者2人からの指示はほとんどなく、紺、青、水色の3色の紙ひもで、作品のサイが映えるように演出した。

 新型コロナウイルスの影響で、部活動が制限されていた時期もあったという。部長の女子生徒(18)は「みんなで大きな作品を作るのが久しぶりで、楽しかった」と満足そうに話した。

 展示は11月3日まで、午前10時~午後9時。入場無料。休館日は月曜日。

動物たちがのびのび暮らす会場=いずれも静岡市葵区で

動物たちがのびのび暮らす会場=いずれも静岡市葵区で