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【静岡】江戸から昭和のすごろく紹介 島田市博物館

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 静岡  2020年12月01日

少年雑誌の付録で配られた、当時最新鋭の兵器などが記されたすごろく=島田市博物館で

少年雑誌の付録で配られた、当時最新鋭の兵器などが記されたすごろく=島田市博物館で

 江戸から昭和までのすごろくを紹介する企画展「双六(すごろく)と人々の生活」が、島田市河原の市博物館で開かれている。升目から時代背景や世相も知ることができる40点を展示している。 (大橋貴史)

 さいころを振り、出た目の数を進めるすごろくは、江戸初期から出版印刷技術の発達とともに、庶民に広く親しまれるようになったとされる。日本最古の小説「源氏物語」にもすごろくに興じる姫が登場するが、当時は将棋のように盤上の駒を動かす遊技で、現在のものとは異なっている。

 江戸後期から明治にかけて作られたすごろくは、弥次(やじ)さん喜多さんの旅で知られる「東海道中膝栗毛」の世界を模したものや、人気浮世絵作家が手掛ける役者のブロマイドのようなものまでさまざま。女性の立身出世を楽しむすごろくでは結婚がゴールとなっており、現在の価値観との違いもうかがわせる。

 少年雑誌の付録として配られるようになった明治以降は政府の「富国強兵」と結びつき、升目に爆撃機などの最新鋭の兵器や戦術が描かれた。1940年の「皇軍万歳双六」では、陸海軍の検閲が入っていることが明記され、戦意高揚を図るプロパガンダとして使われたことが分かる。

 学芸員の曳地真澄さんは「今の価値観と共通するところと、違うところを見極めながら共感してほしい」と話す。

 展示は来年1月24日まで。12月15日から展示の一部を入れ替える。月曜休館(祝日の場合は火曜)。入館料は300円で、中学生以下は無料。(問)市博物館=0547(37)1000