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【富山】「応響雑記」欠本を一部発見 氷見市博物館あすから公開 ペリー来航情報 記述

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 文化 | 歴史  2020年02月27日

新たに発見された応響雑記の巻52(手前)などが並ぶ特別展=氷見市博物館で

新たに発見された応響雑記の巻52(手前)などが並ぶ特別展=氷見市博物館で

 氷見市博物館は26日、市指定有形文化財(歴史資料)の江戸時代後期の日記「応響雑記」欠本を一部発見したと発表した。1853(嘉永6)年6月16日に、現在の金沢市にいた日記の筆者が、3日にペリー艦隊が浦賀沖に現れた情報を得た記述などが書かれている。28日から3月22日まで、発見された全冊を同博物館で公開する。

 「応響雑記」は、江戸後期の氷見町で蔵宿を営み、町役人を歴任した田中屋権右衛門(1804~59年)が33巻書きつづった日記。全66冊のうち62冊が、氷見市窪の市民から2016年に寄贈された。18年には同じ市民が古書や古文書類を1万点近く寄贈し、その中から欠本だった巻52と、巻48、巻64、巻不明の断片を発見した。

 巻52には町役人として金沢に出府した筆者が、ペリー艦隊来航を13日後に知った記述がある。江戸から情報を得るのにそれだけの日数がかかったことが分かる。

 市博物館の小境卓治学芸員(68)は「氷見だけでなく加賀藩のことを近世後半から幕末に至るまでをしっかり書かれた記録はない。欠本の発見で、従来の応響雑記の価値がより高まる」と話している。市博物館は28日から「応響雑記の世界-近世の氷見町を訪ねる-」を開催する。月曜休館。入場無料。 (小寺香菜子)