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【福井】イトヨ保全の歴史振り返る 大野で昭和初期の新聞や写真などの企画展

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 福井  2022年08月19日

学者の声を掲載した1933年の新聞記事(左手前)=大野市本願清水イトヨの里で

学者の声を掲載した1933年の新聞記事(左手前)=大野市本願清水イトヨの里で

 大野市内に生息するトゲウオ科の魚「イトヨ」の保全の歴史などを振り返る企画展「大野のイトヨのこれまで」が、同市の本願清水(しょうず)イトヨの里で開かれている。10月30日まで。
 
 イトヨの里は昨年度に開館20周年を迎えた。企画展は21年目を新たなスタートに位置付け、これまでの取り組みを振り返り、次の活動につなげていくのが狙い。古い新聞記事や写真など50点で保全の歩みを取り上げている。
 
 イトヨの里に隣接する本願清水が天然記念物に指定された当時の新聞記事は目玉展示の一つ。陸封型のイトヨの生息地として条件が良い本願清水を、天然記念物として保存するべきだとの学者の声を掲載した1933(昭和8)年の記事や、翌34年の天然記念物に指定された記事などがある。杉川繭美副館長は「紙面を見ると戦争に関する記事が多い中で、大きく取り上げられている。戦時中にも生物保全の考えがしっかりしていたことを示す」と話した。
 
 他にも、井戸枯れなどでイトヨの分布域が縮小した際、イトヨを保全するための市教委の調査資料や、近年のカワウやコクチバスなど天敵をめぐる対策などもまとめている。見学は入館料(大人300円、中学生以下無料)が必要。(山内道朗)