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【石川】和倉御便殿 魅力PR 観光協 御朱印帳など販売開始

ジャンル・エリア : 歴史 | 石川 | 神社・仏閣  2022年08月23日

御便殿の希少価値を知ってもらおうと新たに販売された御朱印帳と御朱印=七尾市・和倉温泉で

御便殿の希少価値を知ってもらおうと新たに販売された御朱印帳と御朱印=七尾市・和倉温泉で

 七尾市の和倉温泉観光協会は、温泉街の2つの寺にある国登録有形文化財「和倉御便殿(ごべんでん)」の本殿と供奉殿(ぐぶでん)の魅力を知ってもらおうと、御便殿創設時の姿をデザインした御朱印帳と、温泉キャラクター「わくたまくん」をデザインした御朱印の販売を始めた。

 和倉御便殿は、1909年に大正天皇が皇太子時代に和倉を訪れた際、休憩所として利用するため建てられた。皇太子が休んだのが本殿、随行員が控えたのが供奉殿。その後、御便殿は青林寺客殿に、供奉殿が信行寺(しんぎょうじ)書院に移築され、2017年に両方が国登録有形文化財になった。御便殿は利用後は解体されることが多いため現存するのは全国的に珍しく、同協会は希少価値を観光客らにPRしたい考え。近年、御朱印人気が高まっているため新たに御朱印帳販売を企画した。

 御朱印帳の表面は、御便殿創設時に廊下でつながっていた様子をさわやかな色合いでデザイン。裏面は七尾湾の青色、温泉を発見するきっかけになった伝説に基づきシラサギを描き、水引細工を添えて上品で柔らかいイメージに仕上げた。1200年以上の歴史があるという温泉の由来、御便殿の歴史的意義などの紹介ページもある。青林寺と信行寺で300円で販売する御朱印にはわくたまくんの愛らしい姿がデザインされ、寺名や御便殿などと記した漢字の力強さと溶け合う。

 御朱印帳は同協会がある和倉温泉お祭り会館と両寺で1800円で販売。同協会の毛利光歩(みほ)さんは「御朱印集めをきっかけに、互いに近い2つの寺の魅力を知ってもらい、周辺を散策してもらえたら」と期待する。(問)同協会=0767(62)1555

 (室木泰彦)