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【愛知】余ったおからをデザートに 岡崎の豆腐店が商品開発

ジャンル・エリア : グルメ | 愛知  2022年09月07日

おからでつくったドーナツと豆乳プリン

おからでつくったドーナツと豆乳プリン

 岡崎市稲熊町の「四代目原田豆腐」が、おからや豆乳を使ったデザートづくりに力を入れている。豆腐づくりの過程で出る大量のおからなどを無駄にしないようにと始め、今夏、新たにデザート工房を設けた。販売数を増やしたり、商品開発を進めたりしている。 (杉山果奈美)

 80年以上続く老舗だったが、2020年8月に店が全焼して廃業。21年2月にクラウドファンディングで資金を募り、復活した。店を引き継いだのが、取引先だった「魚信」の西田耕一さん(55)。すぐに豆腐づくりの過程で、大量のおからが余ることを知った。

 豆腐が1日350個売れると、生じるおからは約40キロ。その多くを肥料にする店もある中で、同店では、うの花などのおかずにして提供したり、豆腐を買った人にプレゼントしたりしていた。それでも全てを処理できず、「食物繊維やビタミンB1などの栄養価が高いのに、お客に食べてもらえないのはもったいない」と感じていた。

 そこで、既に商品化していた豆腐シフォンケーキの素材を見直し、小麦粉を減らし、おからに変えて販売を始めた。豆腐づくりでは、おからだけでなく豆乳も残ってしまう。この2つを使ったドーナツを作った。豆乳ならではの自然な甘みがある一方、おからの食感や味は抑えられ「食べやすい」と、孫に買っていく祖父母が多いという。

豆腐づくりの過程で出るおから=いずれも岡崎市稲熊町の四代目原田豆腐で

豆腐づくりの過程で出るおから=いずれも岡崎市稲熊町の四代目原田豆腐で

 豆乳を使ったプリンやチーズケーキ、杏仁(あんにん)豆腐を発売すると、遠くから客が訪れるようになった。今年7月にはプレハブで新たに工房をつくり、販売数は約1.5倍に。生地におからを混ぜた季節のタルトなどの商品開発にも取り組んでいる。

 これらのデザートを求め、若者の来店も増えているという。西田さんは「きっかけはおからや豆乳のデザートでいい。そこから、若い世代にも、職人がつくった味の濃い豆腐を食べてもらえたら」と話した。

 おからを使ったドーナツは5つ入りで300円(税込み)、シフォンケーキは1カット250円(同)。豆乳を使ったプリンは350円(同)。午前10時から販売し、売り切れ次第、終了する。月曜定休。(問)魚信=0564(24)0173