ジャンル・エリア ： グルメ | 愛知 | 特産　 2022年11月09日

愛知商業高の生徒が考案した見た目もかわいらしい坦々きしめん＝名古屋市西区で

　名古屋を代表する伝統食の１つ、きしめん人気を盛り上げようと、愛知商業高（名古屋市東区徳川一）の生徒が、老舗の角千本店（北区西味鋺）と組んで新メニューを考案した。「ホッと　しろねこ豆乳坦々（たんたん）きしめん」。別皿の白ネコをかたどった豆乳ゼリーをスープに浮かべると、見栄えが何ともかわいらしい。交流サイト（ＳＮＳ）で「映え」そうな仕上がりになっている。（多園尚樹）

　メニュー開発は、地元産業の活性化に貢献できる人材育成を目指す、同校の授業「地域協働探究」の一環。３年生１０人が４月から、きしめんの歴史や作り方、商品開発のためのマーケティング手法などを学び、アイデアを膨らませてきた。

　夏休み中の課題として、生徒各自がメニューを考案。きしめんグラタンや、パスタなどさまざまな案が出た中、角千の加古僚太郎社長が検討を重ね、坦々きしめんを選出。生徒と角千側が試食会を繰り返し、１０月下旬に商品ができあがった。

　完成した新メニューは、味も見た目も楽しめる１品。最初はピリ辛のきしめんを味わい、途中で豆乳ゼリーをのせる。徐々にゼリーが溶け出していくと、味の変化も楽しむことができる。

　案が採用された生徒（３年）は「マーケティングの授業で商品のターゲットを明確にする大切さを学んだ。若い女性にうける、辛い味と見栄えを意識した」と明かす。加古社長は「われわれなら普通に豆乳味の坦々麺を作ってしまうだろう。そうじゃなく、お客さまが一手間を加える工夫や、見て楽しむ視点を加えるのは若い人の感性だからこそ」と顔をほころばせる。

　全国製麺協同組合連合会が制定した「めんの日」に当たる今月１１日から、本店と西区則武新町のイオンモール内の則武新町店で販売される。税込み１０００円。