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【石川】池田コレクション、等伯らの作品一堂 県七尾美術館で展覧会

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2023年01月20日

「池田コレクション」の根来などの魅力も伝わる会場

「池田コレクション」の根来などの魅力も伝わる会場

 七尾市小丸山台の県七尾美術館で、同館所蔵品の中核となる「池田コレクション」などの漆芸作品や、七尾生まれで桃山時代から江戸時代初期に活躍した絵師長谷川信春(等伯)らの作品を集めた展覧会が、2月12日まで開かれている。

 テーマは2つに分かれ、第1展示室は「japan 様々な漆の表情」と題し、七尾市出身で岐阜県大垣市を拠点に活躍した実業家の池田文夫氏(1907~87年)が生前収集した「池田コレクション」の漆芸作品など37点を展示。同コレクションは同館開設のきっかけになったことでも知られ、今回は根来(ねごろ)(朱漆塗木器)や人間国宝による茶道具の香合(こうごう)、すずり箱などを並べた。

 第2展示室は「賑(にぎ)わいの江戸絵画」と銘打ち、信春ら長谷川派や狩野派の屛風(びょうぶ)図、円山応挙ら円山派・土佐派・岸派の絵巻や孔雀(くじゃく)図など、他に肉筆浮世絵など計18点を展示している。中でも「信春」印がある等伯の紙本墨画「陳希夷睡図(ちんきいすいず)」は同館所蔵の県指定有形文化財で、今回特別展示。中国5代宋時代初期に仙術を修めた人物が描かれ、時には3年も眠り続けたとの奇行が伝わり、脇息(きょうそく)に寄り掛かって眠る親しみある姿が目を引く。等伯が一時狩野派に属した40代後半ごろの制作とされ作品としても資料的にも貴重という。

長谷川信春(等伯)の「陳希夷睡図」(左)などが並ぶ展覧会=いずれも七尾市小丸山台の県七尾美術館で

長谷川信春(等伯)の「陳希夷睡図」(左)などが並ぶ展覧会=いずれも七尾市小丸山台の県七尾美術館で

 開館は午前9時~午後5時(入館午後4時半まで)。観覧料は一般350円、大・高校生280円、中学生以下無料など。月曜休館。(問)同館0767(53)1500 

(室木泰彦)