ジャンル・エリア ： 展示 | 工芸品 | 石川　 2023年07月14日

動物をモチーフにした金属工芸を鑑賞する来場者たち＝七尾市小丸山台で

　七尾市小丸山台の県七尾美術館で、同市出身の実業家、池田文夫さん（１９０７～８７年）が集めた「池田コレクション」から、日本画や陶磁器、金属工芸を中心に計８０点を紹介する展覧会が開かれている。

　「こだわりの逸品たち」と銘打ち、美術品コレクターだった池田さんの家族が没後に美術館に寄贈した２８９点から、バラエティーに富んだ作品を厳選した。

　金属工芸で目を引くのは、県無形文化財保持者（加賀象嵌）の金工家、高橋介州（かいしゅう）さん（１９０５～２００４年）の動物をモチーフにした置物。牛やツバメ、キジなど、体の曲線が美しく、躍動感がある。学芸員の北原洋子さんは「金属とは思えない」と話す。

　陶磁器では、唐津焼や九谷焼、志野焼、織部焼など各地の印象の異なる焼き物を展示した。コレクションの中でも屈指の価値があるという、十客が完全な形でそろった桃山時代の美濃焼の１種「黄瀬戸六角盃（きぜとろっかくさかずき）」が見どころ。

　２３日まで。毎週月曜休館だが、１７日は開館（翌日休み）。午前９時～午後５時。一般３５０円、大学生２８０円、高校生以下無料。（問）七尾美術館０７６７（５３）１５００

　（大野沙羅）