ジャンル・エリア : 展示 | 生き物 | 石川 | 自然 2023年03月10日
「攻撃」「隠れる」…パネルや生体で紹介
木の枝によく似た姿をしているナナフシの知られざる魅力に迫った展示「ナナフシのななふしぎ」が、白山市八幡町の県ふれあい昆虫館で開かれている。変わった生態をパネルや標本を使って紹介しているほか、生きているナナフシ5種類も観察できる。6月5日まで。(安里秀太郎)
展示では、ナナフシ独特の生態や能力を、「攻撃」「隠れる」「再生」など7つのジャンルに分けて説明している。
例えば「再生」では、ナナフシが外敵に襲われた際に、注意をそらすために自らの脚を切断する「自切(じせつ)」の仕組みと、脚が再生するまでの過程について取り上げている。
「隠れる」では、ナナフシの形や色に注目し、細長い体はどんな構造をしており、緑や茶色の体色は木々に身を隠すのにどう役立っているのかを説明。写真から自然の中で木や枝に擬態しているナナフシを見つけるクイズもある。
「攻撃」では一部のナナフシが持つ、外敵から身を守ための攻撃に使う後ろ脚のトゲや、敵を追い払うために腐った卵のような臭いを分泌する独特の攻撃手段を紹介している。
観察できるナナフシは、西表島や石垣島に分布し、卵を黒潮の流れに乗せて生息地を拡大する特徴を持つツダナナフシや、日本全国に分布し、全身にトゲをもつトゲナナフシなどで、木に擬態する姿を確かめられる。
企画を担当した澄川智紀学芸員(25)は「逃げる、隠れるに特化したナナフシの機能美やかわいらしさをぜひ感じてみてほしい」と話している。