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【富山】春 可憐に告げる 高岡・万葉歴史館 堅香子の花咲く

ジャンル・エリア : 富山 | 文化 | 自然 |   2023年03月10日

開花した堅香子の花=高岡市万葉歴史館で

開花した堅香子の花=高岡市万葉歴史館で

 万葉集を編さんしたとされる奈良時代の歌人、大伴家持が歌に詠み、春の訪れを告げる堅香子(かたかご)(カタクリ)の花が9日、高岡市万葉歴史館で開花した。3月中旬から4月初旬が見ごろ。

 同館の四季の庭(春の庭)斜面で6~8日に3株がつぼみをつけているのが確認され、9日にうち2株が薄紫の可憐(かれん)な花を咲かせた。庭には約100株あり、気温が高くなるにつれて開花していくという。

 気温が低い雨天や夜は花を閉じ、好天で暖かな気候の時に花開く特徴がある。開花時期は例年並み。

 奈良時代に越中国守として現在の高岡市伏木の地に赴任した家持が井戸で水をくむ若い娘たちのそばで群生する堅香子が花を咲かせている春めいた情景を「もののふの 八十(やそ)娘子らが 汲(く)みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」と詠んだことで知られる。

 同館の篠原秀幸主任は「国宝指定された勝興寺も近いので、ぜひ来館して万葉のふるさとに訪れた春を感じてほしい」と話す。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時15分まで)。火曜休館。観覧料は一般300円、中学生以下は無料。 (武田寛史)