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【富山】志功 俳誌原画や挿絵 生誕120周年、魚津で企画展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 文化 | 歴史 | 芸術  2023年05月16日

俳誌「喜見城」と表紙の原画

俳誌「喜見城」と表紙の原画

 世界的板画家で魚津市と縁が深い棟方志功(1903~75年)の生誕120周年を記念した企画展が魚津歴史民俗博物館で開かれている。市所蔵の肉筆画が中心で、市の句会「低水会」の俳誌「喜見城(きけんじょう)」の表紙の原画、挿絵全40点の展示は初めて。

 志功は衆院議員なども務めた初代市長、金光邦三(1897~2001年)と戦前から親交があり、1945(昭和20)年~54年の福光町(現南砺市)疎開時や、帰京後も交流があった。

 麻柄(まがら)一志館長代理によると、油彩画「毛勝山(けかちやま)の図」(1954年)は当時の国鉄魚津駅新駅舎完成を記念し、金光の依頼で志功が2代目魚津水族館屋上で描き、長く駅長室に飾られていた。油彩画「鯛(たい)図」(51年)は、魚津の住民が福光に住んでいた志功を訪ねた際、土産にしたタイ2匹を喜んだ志功が食べる前に即席で描いた。

 志功が「倭(やまと)画」と読んだ水彩画「天神様図」は金光に似ているという。喜見城の表紙の原画の一部は印刷業者が落款を消したり、メモを書き入れたりした。麻柄館長代理は「展示を通して、魚津と志功の深いつながりを市民に知ってもらいたい」と話した。

 企画展は6月4日まで。入場無料。期間中は原則月曜休館。(松本芳孝)

展示されている志功の油彩画や水彩画。右端の「毛勝山の図」は2代目魚津水族館屋上で描かれた=いずれも魚津市の魚津歴史民俗博物館で

展示されている志功の油彩画や水彩画。右端の「毛勝山の図」は2代目魚津水族館屋上で描かれた=いずれも魚津市の魚津歴史民俗博物館で